春になると外に出かけることが多くなります。
特に、車などで遠出する機会も多くなりますが、そんな時に田植えをしている光景を見ることがありせんか?
地域によっては田植えをしている所としていない所がありますよね。
田植えする時期が違うのは、いったいどうしてなのでしょう?
思ったことはございませんか。
そんな素朴な疑問について、調べてみましょう。
田植えの時期っていつ?
田植えの時期っていつなのかという問いかけについて考えてみると・・・小さい時の記憶では、6月頃が多かったような気がします。(人によって違うか?)
しかし、最近では、ゴールデンウィーク前後から田植えをする光景を見ることが多いような気がします。
調べてみると、全国的に4月~6月に田植えをすることが多いことがわかりました。
その理由は、田植えのする条件が関係しています。
田植えの条件とは
元々、稲そのものは温暖な地域で育つ植物でしたので、寒い地方では育つことが困難と言われてきたのです。
今では、品種改良が行われて北海道でも稲作が可能となったのですが、それでも田植えをする際には、条件があるのです。
その条件とは、次の2点である。
- 田植えをする際の温度
- 田植え後の稲の成長する温度
では、その温度とは、何度なのかと言いますと、
田植えの温度とは
- 15度以上でないと稲は成長しない。
- 10度以下になると成長を止めてやがて枯れる。
また、稲穂に実るまでの20度の温度で100日間が必要とされている。
すなわち、2000度/日の積算温度の確保で稲が成熟します。
結果的には、これらの条件を満たす月としては、稲の成熟から逆算すると、全国的に4月〜6月という期間に田植えをすることとなります。
では、このような条件から考えると桜前線のように南から北へと田植えがなされると思いますが、実は、意外な結果となるのです。
意外な全国的な田植え時期の違いとは?
ここで農林水産省の「グラフと絵で見る食料・農業」という資料を見ると大変面白いことがわかります。
下の図は、平成15年から19年までの5年間の田植えの最盛期平均値を都道府県別に色分けしたものです。
(見えにくいですが、すみません(;^_^A)
全国の色別をみてわかる通り、最も早いのは沖縄でも次に千葉と三重の4月下旬となっている。
北と南では、北海道5月下旬、九州6月中旬となっていることがわかります。
更に、農林水産省統計部では、「全国的に見ると北が早く、南が遅くなっています」と解説している。
いったいどんなことになっているのか不思議です。
それで、理由を色々と探してみると、稲作の品種の違いから時期の違いが来ていることがわかった。
結論から言うと、稲の栄養成長期間の長短によって品種が決まり、田植え時期も決まっていることがわかったのです。
具体的には、栄養成長から基本栄養成長を除いた期間を可消栄養成長期間と言われていて、この期間がある要素で栄養成長が左右されることをいっていることがわかっている。
その要素は、2つの要素があります。
田植えの成長要素が決め手
その2つ要素とは、
- 短日によって早まる部分(感光性)
- 高温によって早まる部分(感温性)
この2つの要素をもとに、品種として次のように分類されている。
感光性-小
感温性-大早生品種:基本栄養成長期間-長
感光性-小
感温性-大中生・晩生品種:基本栄養成長期間-短
感光性-大
感温性-小
寒冷地では、感光性ができるだけ小さく,夏の高温で穂が出るような感温性の高い品種が適していることがわかっているので、早生品種が適しているので、夏の高温で穂が出るように田植えをする。
温暖地では、逆に感温性が小さく,感光性が大きい品種が適しているので、中生・晩生品種がいい。暖地で感温性の高い品種を栽培すると,夏の高温のため,栄養成長を充分行わないうちに幼穂が形成されてしまい,穂数が少なくなってしまう。
ということで、気温に合わせて収穫時期をいつにすることにより、田植えの時期に違いがでるのです。
整理しますと
寒冷地・・・早生品種、夏の高温で穂が出るように田植えすること。北海道5月下旬
温暖地・・・晩生品種、夏の高温のため栄養成長を充分行わないように田植えをする。九州6月中旬
最後に
田植えの時期も品種や収穫時期を考えて、違いがあることがわかりました。
ちなみに、温暖地では、二期作や二毛作という作付けの工夫もしています。
二期作は、同じ水田で、2回、稲作すること。
二毛作は、麦などの別な作物を育てること。
やはり、こうしてみると、植物にとっては、温暖気候がいいことがわかりますね。
同時に、品種改良という人間の知恵にも驚きますね。(^^)
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