妊娠期には、自分の口に入るものすべてが気になってしまいます。
赤ちゃんに悪影響となるものはできるだけ避けたいというのは、すべての妊婦さんに共通する思いですよね。
ところで、ここ10年程のあいだに全国的に食べられるようになったゴーヤ。
北海道に住む筆者もゴーヤが大好きで、夏になるとゴーヤチャンプルーを3回は作るのですよ。
そんなゴーヤは、その特有の苦みが「胎児に良くないのでは?」と心配する妊婦さんもいらっしゃるようですが、本当のところはどうなのでしょうか。
そんなゴーヤの栄養成分や、苦みの正体、栄養を逃さない食べ方についても調べてみました。
では、早速、見てみましょう。
ゴーヤの栄養って?
まず、ゴーヤの栄養成分について旬の食材百科のホームページに掲載されている五訂日本食品標準成分表を見てみると・・・
ゴーヤはビタミンCが豊富です。
なんとゴーヤに含まれるビタミンCは、100g中75mgなのです。
これは、ビタミンCが多く含まれる食品の代表であるイチゴやキウイフルーツよりも多い。
ビタミンCの効果は、肌が紫外線を浴びることで増加するメラニンの生成を抑え、シミを防いでくれる。
さらに、肌のハリや弾力を保つコラーゲンの生成を助ける効果や、抗酸化作用による老化防止の効果も期待できる。
まさに美肌を作るために欠かせない栄養素なのです。
しかも、ゴーヤのビタミンCは熱に強く、加熱調理をしても壊れにくいので安心して炒め物などに使えますね。
ゴーヤにはカリウムも多く含まれ、体内の余分な塩分を排出し、血圧の上昇を防ぐ効果があります。むくみ解消にも効果的です。
そして、あの苦みの正体であるモモルデシンという成分には、胃液の分泌を促進させ、食欲を増進させてくれる働きがあります。
夏バテで食欲が落ちているときにはぴったりの食材と言えますね。
さて、ゴーヤは妊婦さんにいい食材なのでしょうか?
妊婦さんにはどうなの?
ゴーヤに多く含まれる栄養素として、葉酸があるのですが、これが妊婦さんにとてもいいのです。
妊娠初期の女性に葉酸が不足していると、赤ちゃんが先天的な病気や障害を持って生まれてくるリスクが高まるということで、特に妊娠初期の女性に積極的な摂取が進められています。
確かに、葉酸の多い食品としては、ほうれん草やアスパラガスなどがありますが、夏野菜では、ゴーヤとなりますね。
また、苦み成分モモルデシンには、食欲増進効果だけでなく血糖値を安定させる効果もあるので、妊娠糖尿病の予防にも役立ちます。
そして前述したように、カリウムには血圧上昇を防ぐ効果があるため、妊娠高血圧症候群が気になる方にもおすすめです。
出産前後はむくみに悩まされる方も多いので、カリウムのむくみ予防効果もうれしいポイントですね。
妊婦さんは貧血になりやすい状況ですが、ゴーヤは鉄分も補給できます。
このように、ゴーヤには妊婦さん特有の症状を予防する栄養成分が豊富に含まれているのです。
がしかし、妊娠阻害および流産誘発作用の警告も出ています。
国立健康・栄養研究所からの警告
一般的にはニガウリ、ゴーヤーと呼ばれる学術名ツルレイシについて紹介されているウィキペディア(Wikipedia)によると
医学的知見としては、次のように説明しています。
マウス等による動物実験では血糖降下作用や制癌作用、妊娠阻害および流産誘発作用が確認されているが、人体に対する医学的有効性を確認できた作用はない。通常の食品として適切に摂取する場合は安全だと考えられている。しかし薬効を期待して、種子や果汁を意図的に多く摂取した場合、下記のような危険情報が報告されている。
更に、国立健康・栄養研究所の見解として次のように紹介しています。
国立健康・栄養研究所は、その果実は通常の経口摂取では健康上大きな問題は無いが、流産を誘発する可能性があるため妊娠中の摂取は恐らく危険であり、また授乳中の安全性について確認されていないことから、そのような状況下においては摂取は避ける事を推奨している。種子にはモモルカリン(Momorcharin)が含まれており、動物実験で妊娠阻害作用と堕胎作用が確認されている。受精12日後の妊娠マウスに0.02-0.05 mgのモモルカリンを腹腔内投与したところ、90%の胎児が死亡したとされる。またニガウリ果汁を毎日摂取したマウスは、妊娠率が90%から20%に低下することが知られている。
ということで、まだ明確ではありませんが、妊娠中と授乳中は控えた方がいいようです。
妊娠または、授乳中でない方へのおすすめの食べ方を紹介しておきます。
おすすめの食べ方は?
まずは美味しいそうなゴーヤを選びましょう。
どんなものが美味しいののかと言いますと、色が濃くて全体にハリがあり、大きすぎず、ずっしりと重たいものが良いです。
すぐに食べないときは、乾燥しないように新聞紙にくるんでからビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に入れます。
苦みが気になる場合は水にさらすと苦みが抜けますが、大切な栄養も流れ出てしまいます。
長時間水に漬けることは避け、風味のあるごま油で炒めたり、濃い目に味をつけたりすることで苦みをマスキングしましょう。
「どうしても苦みが苦手で食べられない」という方は、軽めに塩をまぶして10分程度おき、さっと水ですすぐと苦みが軽減します。
おすすめの料理は、やっぱりゴーヤチャンプルー!
茹でずに炒めることで栄養素の流出を防げるほか、卵に豆腐、疲労回復に良い豚肉など、たんぱく質もたくさん摂れます。
冷たい麺類ばかりで栄養が偏りがちな夏の食卓に、栄養満点の一皿です。
ゴーヤの苦みが得意な方は、ぜひ厚めに切ってみてください。
おすすめの暑さは5mmですね。
そうすると、味も触感も存分に楽しめますよ。
でも、これは夏野菜全般に言えることですが、カリウムが多い食材には体を冷やす作用がありますので、食べすぎには注意してくださいね。
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最後に
妊娠中の女性は生まれてくる赤ちゃんのことを想って、いつも以上に自分の食生活が気になってしまいますよね。
「これは食べても大丈夫かな?」「これはやめた方がいいのかな…」。
書いてる私も妊娠期には何度もインターネットで調べていました。
「体に良い食事」を気にしすぎるあまり、ストレスになることもありました。
ゴーヤの苦みは他の野菜にはない特徴的なものなので、心配になる方もいらっしゃると思います。
しかし、妊婦さんに悪影響どころか葉酸やカリウム、ビタミンCなど、むしろ積極的に摂りたい栄養素がたくさん含まれていることがわかりましたが・・・
妊娠阻害および流産誘発作用があることも動物実験では報告されています。残念(-_-;)
「体のために」と嫌いなものを無理に食べる必要はないけれど、好きな食べ物が赤ちゃんのためにも良いというのはうれしいですよね。
ただし、どんな食べ物にも言えることですが、過剰摂取は禁物です。
食事はたのしく、バランス良く!
なるべくストレスをためず、熱い夏を快適に過ごせますようにと願っています。
終わりに、妊娠中期から産後の栄養バランスって心配という方におすすめの栄養サポート食品を紹介しますね。
必要な栄養素が失われがちな妊娠中期から卒乳までしっかりサポートしますので、一度、ご検討されてみてはいかがでしょうか。
⇒ 妊娠中から産後の栄養は大丈夫?【森下薬農園のチアフルマム】