子どもの頃に、「よくなぞなぞやクイズで遊んだ」という方も多いと思いますが・・・
なぞなぞとクイズの違いは分かりますか?
最近はテレビでよくクイズ番組が放送されていますね。
タレントや芸人たちが、早押しクイズなどで競う番組です。
しかし、これらをなぞなぞ番組とは言いません。むしろクイズ番組といいます。
いったい、なぞなぞとクイズは何が違うのか、そして問題とどう違うのかという疑問を調べて見ましたので、参考にしてください。
なぞなぞとクイズの違いってなに?
なぞなぞは、問題の一種ではありますが、その出題内容の性質上、クイズとは区別されています。
例えば、なぞなぞを一つ出してみます。
「あんぱん、食パン、カレーパン、このうち人の言う事をよく聞くのはどれでしょう?」
有名ななぞなぞなので、聞いたことある方も多いかもしれません。
答えは、食パンですよね。「耳があるから」です。
このように、なぞなぞというものは、「頭の柔らかさ」を問う問題であるのが特徴です。
考えに考えれば、正答することも可能なのです。
結論として、実際にあり得ない事柄を言葉巧みに使って頭をひねりというのがなぞなぞでするね。
「ラーメンどんぶりの内側の渦巻き模様は何をあらわしているでしょう?
①雲、②雷、③迷路、④お金」
この答えは、②雷です。中国の「雷文」という模様が由来で、雷は天の意思だとして奉られていたそうです。
これは、知っていないと解けませんよね。
このように、クイズで出題される問題の内容は、あくまで事実に即した「知識」を問うものです。
雑学もクイズでよく出題されますが、やはり内容は知識量を試すものですね。
結論として、実際に存在している事実に対して、それが何かという問いに答えるという知識力テストがクイズのようです。
まとめると
問われるもの | 求められるもの | |
なぞなぞ | 実際にないことを問う | 頭の柔軟性 |
クイズ | 事実を問う | 知識の豊富さ |
ここで、どうしてなぞなぞは、とんちや洒落などがきいた「頭の柔らかさを試す問い」だ、ということができますが、この特殊な問題としての「なぞなぞ」はどのように生まれたのでしょうか。
しかも、日本ばかりではなく、世界でなぞなぞはあるのです。
なぞなぞが生まれたのはどうして?
世界史上、最古のなぞなぞとして有名なのがギリシャ神話の「スフィンクスのなぞなぞ」です。
スフィンクスは、「朝は四本足、昼は二本足、夕は三本足。この生き物は何か?」というなぞなぞを通りがかる者にかけ、答えられなかった者はスフィンクスに襲われたそうです。
しかしある日、英雄オイディプスがこのなぞなぞを解きました。
答えは「人間」。
朝、つまり赤ん坊の頃は四つん這いをし、そのうち二本足で歩けるようになり、夕、すなわち年老いると杖をつくため三本足になる、というわけです。
このように、世界的起源の古いなぞなぞですが、日本ではどうでしょうか。
日本の文献では、「枕草子」に「なぞなぞあはせ」という遊びがあったことが記されています。
これは、和歌を基にした言葉遊びです。
更に、中世の嵯峨天皇は、「『子子子子子子子子子子子子』を読め」というなぞなぞを出した、という話も有名です。
これは、「ねこのここねこ、ししのここじし(猫の子子猫、獅子の子子獅子)」と読みます。中世ごろまでは、このような言葉遊びが主流でした。
謎かけ
その後、室町時代には「謎かけ」が流行します。
これは、「なんぞ、なんぞ」と問いかけるもので、現在のなぞなぞと類似しています。
「なぞ」の由来は「何ぞ」という問いかけなのですね。
例えば『後奈良院御撰何曽(ぎょせんなぞ)』にはこのようななぞなぞが記されています。
「上を見れば下にあり、下を見れば上にあり、母のはらをとをりて、子のかたにあり、とは、なんぞ?」
上、下、母、子という漢字がヒントになっています。
答えは「一」です。
このようななぞなぞが、近世には、「謎解き坊主」という者の手によって、さらに発展していきました。
と言うことで、多分、人間は謎めいたことに興味を持つという習性があるから、言葉遊びも加味して、謎を解く面白さに喜びを見出したのではないでしょうか。
知らない謎めいたものに、洋の東西を問わず、いつの世も関心が強かったというわけですね(・・?
ところで、なぞなぞもクイズも問題として扱われますが、普通、問題というとちょっと「なぞなぞやクイズ」とニュアンスが違う感じします。
問題ってなに?
さて、クイズ、なぞなぞは、出題される問題に違いがある、ということが分かりましたが、そもそも「問題」とは何でしょうか。
問題、という言葉は、色々な文脈で使われますよね。具体的に考えてみましょう。
試験問題を解く、というときの問題。
環境問題、食糧問題、という場合の「問題」。
…それぞれ、厳密には定義しづらいですが、ニュアンスが違うことが分かると思います。
それぞれをかみ砕いて見てみると・・・
・試験問題、というときの「問題」は、基本的に正答のある「クエスチョン」です。
・環境問題というときの「問題」は、解決を要する、重大性の高い「プロブレム」という意味が強いように思います。
・問題発言というときの「問題」は、解決すべきものではなく、「話題」に近い意味で使われていますね。
クイズを出すときに、「さて、問題です」という言い方もしますが、クイズやなぞなぞにいう「問題」は、「クエスチョン」の類と言えそうです。
なぜなら、正答が用意されていて、それを問うからです。
問題を深刻に捉えると、大変ですので、場合によっては、「なぞなぞ的発想」や「クイズ的な発想」で回答を考えるのも面白いかもしれませんね。
でも、これって問題ですかね(?_?)
まとめ
「なぞなぞ」と「クイズ」の違いについて取り上げました。
両者の違いは、「何を問うか」という部分にあるのですね。
なぞなぞは「頭の柔らかさ」、クイズは「知識」を問うというものでした。
また、なぞなぞが発展してきた歴史では、昔のなぞなぞにも触れましたが、時代ごとのなぞなぞを調べるのも面白そうです。
両者とも「問題」ではありますが、娯楽の一種なので、「クエスチョン」の中でも特殊な存在です。
現在は、大人向けのなぞなぞ、クイズなども流行っているので、久しぶりに親しんでみるのも、楽しいかもしれませんね。