叙勲というものを聞いたことってありませんか!
言葉だけ聞いたことがある、ニュースか何かで見かけたかも、そもそも知らない…といろいろ思うことはあるでしょう。
しかも叙勲にもいろいろ種類や意味があるのですよ。叙勲で何か思い浮かぶものはありましたか?
そこで、今回、よく耳にする叙勲の意味や春の叙勲と秋の叙勲の違い、そして文化功労者について調べて見ましたので、ご参考にしてください。
叙勲の意味とは?
まず、歴史面から見てみると、叙勲(じょくん)というのは古代日本の律令制度下においてすでに存在していました。
勲功(くんこう)として、国家や君主に尽くした功績としての武人に対して勲位を授けることを意味していました。
明治以降は、国が個人の勲功を賞して、勲記(証書のことを指す)や勲章を授けることを指すようになりました。かみ砕いて言うと、何かを頑張ってきた人や貢献してきた人にその功労を讃えて勲章を贈るということです。
いつの世も人は、目の上の方から褒められると嬉しい気持ちになるのですね。
受章者の選定
叙勲にもいくつか種類がありますが、ここでは春秋叙勲という春と秋に年2回行われる叙勲について説明したいと思います。
春秋叙勲は、毎年、春の4月29日(昭和の日)と秋の11月3日(文化の日)に行われています。
受章者候補は「春秋叙勲候補者推薦要綱」というものに基づいて、各省各庁の長から推薦されます。内閣府賞勲局が推薦された候補者について審査を行い、閣議を経て、受章者が決定されています。
勲章の種類
叙勲の名称としては、大勲位菊花章(だいくんいきっかしょう)、桐花大綬章(とうかだいじゅしょう)、旭日章(きょくじつしょう)、瑞宝章(ずいほうしょう)があります。
一度はニュースなどでなんとなく見たことがあると思いますが、これらの章などが受章者には授けられます。
日本の栄典の中で最も最高位が、大勲位菊花章になります。そして、旭日章と瑞宝章の中にはいくつか種類があります。内閣府のホームページから抜粋しますと、以下のようになっています。
種類 | 授与対象 |
大勲位菊花章(だいくんいきっかしょう) 大勲位菊花章頸飾 しょうけいしょく 大勲位菊花大綬章 だいじゅしょう | 旭日大綬章又は瑞宝大綬章を授与されるべき功労より優れた功労のある方 |
桐花大綬章(とうかだいじゅしょう) | 同上 |
旭日章(きょくじつしょう) 旭日大綬章 だいじゅしょう 旭日重光章 じゅうこうしょう 旭日中綬章 ちゅうじゅしょう 旭日小綬章 しょうじゅしょう 旭日双光章 そうこうしょう 旭日単光章 たんこうしょう | 国家又は公共に対し功労のある方 功績の内容に着目し、顕著な功績を挙げた方 |
瑞宝章(ずいほうしょう) 瑞宝大綬章 だいじゅしょう 瑞宝重光章 じゅうこうしょう 瑞宝中綬章 ちゅうじゅしょう 瑞宝小綬章 しょうじゅしょう 瑞宝双光章 そうこうしょう 瑞宝単光章 たんこうしょう | 同上 公務等に長年にわたり従事し、成績を挙げた方 |
文化勲章は、文化の発達に関し特に顕著な功績のある方に授与。
女性のみに授与される勲章として、宝冠章が用意されている。
詳しくは、内閣府のホームページの中に「勲章の種類及び授与対象」というページがありますので、詳しくはこちらでご確認してください。
春と秋の叙勲の違いはあるの?
春と秋の叙勲で一体どんな違いがあるのかを見てみましょう。
実は、秋には文化勲章というものが叙勲の中に含まれます。それは、秋の叙勲である11月3 日は文化の日があるからですね。文化勲章は文化の発展に功績のあった人に贈られるものです。
文化勲章以外は国家または公共に対して功労のある人物に贈られるものになります。そう言えば、芸能関係でテレビなどでも知っている方を見ますね。
春と秋の違いは文化勲章があるかどうかだけでしたので、基本的に同じなのですね。
では、叙勲されるとなにか金一封などのメリットがあるのでしょうか。
叙勲されるメリットあるの?
叙勲はあくまで栄誉になりますので、叙勲は叙勲でしかありません。
今まで頑張ってきたこと、貢献してきたことに対しての労いや感謝を形にしたものです。叙勲を授けられたことによって、経済的な恩恵があるということもありません。
一般的には、表彰されると金一封などがありますが、なにもないのです。そもそも、これは憲法第14条3項で禁止されています。
ここで、文化功労者ということも聞くこともありますが、あれは文化勲章とどう違うのでしょう。
文化勲章と文化功労者の違い
文化勲章は、先ほど述べたように文化の発達に関し特に顕著な功績のある方に天皇陛下から直接授与されます。
文化功労者は、文化の向上発達に関して特に功績顕著な者に年金を支給し顕彰する制度で、文部科学大臣が決定しています。
文化功労者のみ、文化功労者年金というものがもらえる仕組みになっているのですが、実は、文化功労者から文化勲章受章者を選ぶ仕組みになっています。ちなみに、文化功労者年金は、年額350万円(平成29年10月時点)の終身年金となっています。
それ以外叙勲を授けられた方は、憲法で金品禁止されていますが、努力が認められるのはありがたいことですね。
叙勲の一般推薦制度
そして、叙勲には、一般推薦制度が平成15年から実施されています。「この人は叙勲に値する!」と考える人がいれば、その人を内閣府賞勲局に対して推薦できる制度となっています。
内閣府のホームページでは、例えば、社会福祉施設長、民生・児童委員、商工会議所や商工会の役員、保育士、介護職員、看護師、へき地の医師、保健師、助産師、消防団員、水防団員、水位観測員、灯台灯火監視協力者、森林保全作業員を列挙しています。
人目につきにくい影の功労者を一般の中から推薦できるというものでいくつかの条件はありますが、この人こそは!という方をご存知でしたら推薦してみるのも良いかもしれませんね。
まとめ
- 叙勲とは→国家や公共に対して功労のあった頑張った人、貢献した人に授けられる章。
- 春の叙勲と秋の叙勲の違い→秋には文化勲章も同時に授与される。春に文化勲章はない。
- 叙勲のメリットはあるのか→あくまで栄誉。労いや感謝の形。
叙勲というものはニュースで見たことがあるけど、一体どういったものなのかよくわからなかった方も多いと思います。
ここで全てを説明したわけではありませんが、春秋勲章については少し伝わったでしょうか。
勲章は、今までの行った成果への称賛と言うことですね。