里芋って栄養あるの?効能はどうなの?と思ったことありませんか?
そして、芋煮会をしたことありませんか!
秋から冬の時期になると、ちょっとグロテスクな里芋が旬の野菜としてスーパーに並んでいます。里芋は美味しいとわかっていても、皮をむくときにヌメリが大変で買うのをためらってしまう野菜ですよね。
でも、このヌメリには体にとても良い成分がたくさん入っているということがわかっているのですよ。
そこで、今回、里芋の栄養や効能と保存やおいしい調理法、そしておすすめの食べ方として山形県と宮城県の2つの芋煮会について紹介していきますので、参考にしてください。
では、早速、見てみましょう。
里芋の栄養とは
里芋は九州では夏に、関東地方ではだいたい秋から冬に収穫されます。芋類なので主成分はでんぷんですが、次のような栄養成分があります。
生の里芋100gあたりの成分(五訂日本食品標準成分表より一部抜粋)
エネルギー | 58kcal |
炭水化物 | 13.1g |
たんぱく質 | 1.5g |
コレステロール | 0 |
食物繊維 | 2.3g |
カリウム | 640mg |
カルシウム | 10mg |
マグネシウム | 19mg |
リン | 55mg |
鉄 | 0.5mg |
他の芋類と比べて特に多く含まれるのがカリウムです。じゃがいも100gあたりのカリウムが410mgなので里芋の方がより多く含んでいますね。カリウムはナトリウム(塩分)を取り過ぎた時に排せつを促して、血圧を下げる作用があります。
また、カロリーもじゃがいも76kcalに対して里芋は58kcalなので、ダイエットにも取り入れたい食材ですね。
では次に、里芋の効能について説明していきます。
効能はどうなのか
里芋のあの独特のヌメリ成分にはガラクタンとムチン、そしマンナンという成分が含まれています。
ガラクタン
ガラクタンは食物繊維の一種で、免疫力を高め、ガン細胞の増殖を抑制してくれる働きがあります。そして、血中コレステロールを低下させる働きがあります。
18種類ものアミノ酸が含まれていることから脳細胞を活性化する効果もあり、老化防止や脳細胞の活性になっている。さらに、ガラクタンは炭水化物とタンパク質で出来ていますが、たくさん摂取しても脂肪にはなりません。
ムチン
ムチンの成分の中には、唾液の分泌を促し、消化を助ける働きがあります。胃や腸の表面を保護して炎症を防ぎ、潰瘍の予防にも役立ちます。
このムチンは涙の成分にも含まれていて、保水力の高さからドライアイの予防にもなると言われています。また、免疫力・疲労回復力アップになどの効能があります。
マンナン
マンナンは水溶性食物繊維による便秘予防としての働きがあります。また、里芋そのものには多くの食物繊維が含まれていて100gあたり2.3gも含まれています。食物繊維は腸内環境を改善し、便秘の解消に効果があると言われています。
ちなみに、ゴボウの水溶性食物繊維も100gあたり2.3gです。
栄養と効能はとても優秀な里芋ですが、保管方法に注意が必要です。
保存とおいしい調理法
では、保管とおすすめのおいしい調理について説明しますね。
保存方法
里芋を長持ちさせるには、冷蔵庫には入れないようにしましょう。
里芋は元々暖かい気候で育つ野菜で、気温に影響されやすく10度以下になってしまうと低温障害になって傷みやすくなります。土がついたままの里芋を密封していない状態で新聞紙などにくるみ常温で置きましょう
だいたい一か月を目安に使うのが良いです。
一度水洗いなどしてしまうと、痛みが早くなってしまうので長期保管したい場合は土がついたまま保管しましょう。食べきれない時は固めに茹でて冷凍保存も出来ます。
おいしい食べ方の調理法
里芋はヌメリを取ってしまうと、せっかくの効能もとれてしまうので、表を剥いたらそのまま鍋に入れて調理が出来るような里芋の煮ころがしや牛肉と一緒に煮込む煮物などがおすすめです。
我が家では、里芋の天ぷらでした。やり方は片栗粉を薄くつけて油であげます。ホクホクして美味しいですので、これも意外におすすめです。
里芋のムチンは熱に弱いという特性を持っているので、高温で長時間調理するのではなく、一度高温になったら、その後は弱火にするか余熱で煮ることをおすすめします。
調理のかゆみ対策
皮をむいた里芋をさわると、手がかゆくなることがあり、人によっては赤く腫れてしまうことがあります。これはヌメリの中に入っているシュウ酸の結晶化した成分が肌に触れると針のような成分が刺激してかゆみが生じてしまいます。
もしかゆみが出てしまったときは、酢水に手をつけると効果的だと言われています。
そして、最後に、里芋のもっとも美味しい食べ方は、みんなで芋煮会をおすすめします。
そのやり方として、2つの芋煮会を紹介しますね。
おすすめの食べ方は2つの県の芋煮会
芋煮会というと、山形県と宮城県の芋煮会が有名です。
管理人も両県の芋煮会に参加したことがあり、とても美味しいひと時を過ごした経験があり、とても忘れられない味でしたので、みんなで楽しくワイワイとしながら、食べる2つの味の芋煮会を紹介しますね。
芋煮会ってなに?
芋煮会とは、主に東北地方で開催されている鍋料理などを食べる季節行事です。
呼び方には地域差があるようですが、「芋煮会」や「芋煮」と呼ばれていることが多いようです。親睦を深める行事として、家族や友人、地域、学校や職場などのコミュニティで行われています。
芋煮(会)という名前の由来は具材の1つであるサトイモにあります。
サトイモの収穫時期が10月頃であるので、芋煮会も10月から少しずつ行われるようになっていきます。10月下旬から11月初旬が芋煮会のピークで、紅葉のシーズンと重なっています。紅葉が終わる頃、初雪が降る頃に芋煮会は落ち着くようです。
サトイモが収穫できる秋の季節に行われるので、東北地方では春の花見、秋の芋煮という感じで秋の風物詩となっています。
最近では、東北だけでなく関東でも行われたり、季節も秋だけではなく春にしていたりと少しずつ広まっているようです。特に、町おこしや食のイベントとしても芋煮会は人気があるようです。
それでは、山形と宮城の芋煮会の作り方について紹介します。
芋煮会のやり方と山形と宮城の2つの味の違い
芋煮には地域差がいろいろありますが、芋煮会は河原で行われることが多く、大人数で盛り上がるという点では共通しているように思います。
ここでは、芋煮会が特に盛んな地域である山形と宮城の芋煮の違いをみていきたいと思います。
◯ 山形の芋煮
◯ 宮城の芋煮
各家庭や地域でも異なりますが、主な違いは上記のような感じになります。
山形の芋煮には庄内風と内陸風があります。
- 庄内風は宮城の芋煮に似ていて、味噌味で具だくさんで豚肉、油揚げが入っている。
- 内陸風は芋煮の中でも最もシンプルでサトイモが楽しめる。
宮城の芋煮はけんちん汁にも似ていて、たくさんの具材を楽しむことができます。
実は、この両県だけが東北では盛んですが、例えば、近県の福島では、まったくっていいほどほとんどしていません。
どうして山形と宮城だけ
山形県の村山地方では江戸時代には今の芋煮会ような収穫祭が行われていたようですね。
管理人が以前、新聞か雑誌かでどうして山形と宮城だけで芋煮会がよく行われているのかという記事を読んだことがあります。
記憶では、東北大学の学生が河原に集まって、みんなで鍋をしたことが始まりという内容でした。その時に、地元の宮城の学生と山形の学生がいたらしく、おらがふるさとという味付けを競いあった。
それが、なぜか学生の間に広まって、近くにいた住人にも広がり、やがて市民に広がっていったらしいです。しかも、宮城と山形だけという限定した場所に限って広まったようです。
東北大の大学生の河原での楽しみが市民の楽しみまで拡大したのは、ある意味すごい話ですね。
ちなみに、全国的になかなか広まることはなかった。それは、バーベキューという洋風文化が浸透していったこともあるようです。
まとめ
里芋の栄養や効能についてまとめましたが、参考になりましたか。
実はうちの奥さんは以前、ヌメリの効能を知らずにたわしでゴシゴシと洗っていたり、お湯で下茹でしてから使っていたことがありました。こんなに効能があるのにもったいないことですね。
そして、芋煮会はいかがですか、みんなで自然の中で、ワイワイとしながら芋煮を食べるのはとてもいいですよ。
ぜひこの里芋のヌメリを丸ごと摂取できる料理と芋煮会を楽しんで見てください!(^^)!
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