近頃テレビなどでは平成最後の〇〇と言われていますね。
平成というのは、昭和の次に生まれた元号ですが、今回、現在の天皇が生前に退位したいことから元号についていろいろと報道されています。
そこで、今回、元号と天皇退位の関係、生前退位とはなにか、そして元号の意味は何かなどついて調べてみると思っていた以上に面白かったので、この記事を通してシェアしたいと思います。
ということで、元号と天皇退位はどの様に関係しているのか、生前退位を可能にするポイントと合わせて詳しくお伝えしていきますので、ぜひ一緒に見ていきましょう。
元号と天皇退位の関係とは
昭和天皇が崩御された翌日に「平成」という元号が発表されましたが、その時は随分早い発表だと感じたことをよく覚えています。
その際のイメージ、また学校で学んだことを思い出すと、天皇が亡くなったことを崩御と呼び、同時に新たな天皇が即位する。そうした流れの中で「新元号」は制定されるものというのが私の頭の中にはありました。
しかしながら、平成天皇はまだまだ息災ですし、今回のパターンは崩御ではありません。こうなると元号がどんなタイミングで決められるのかが謎に包まれてしまいますよね。
そんなことをあれこれ調べていった結果…
- 元号法に答えがある
ここにたどり着きました。細かいポイントをあれこれお伝えしていきますので、1つ1つ紐解いていきましょう。
元号法とは
戦前の大日本帝国憲法では、旧皇室典範では、天皇一代について一つの元号にするという規定があった。がしかし、戦後の日本国憲法においての皇室典範では元号に関しての規定がなかったのです。
そこで、日常生活に元号が慣習化されていたことを考慮して、1979年に「元号は政令でさだめる」「元号は皇位の継承があった場合に限り改める」という元号法が成立した。
平成という年号は、この元号法の手続きで決まったものなのですが、その際に元号選定手続きの6つの選定要件も決めています。
元号選定手続きの6つの選定要件どんな手ものなのか、そして「元号は皇位の継承があった場合に限り改める」としているが皇位の継承があった場合とはどうことなのかと疑問に思いますので見てみましょう。
元号選定手続きの6要件
- 国民の理想としてふさわしい良い意味を持つ
- 漢字2文字
- 書きやすい
- 読みやすい
- これまでに元号や贈り名(追号)として用いられていない
※贈り名とは、生前の功績に対して死者に贈る称号 - 俗用されていない
元号は簡単に決められるのでなく、いろいろと制約条件があるのですね。
皇位の継承ってなに?
元号法では、「元号は皇位の継承があった場合に限り改める」とありますが、この皇位の継承があった場合の「あった」は、今の天皇が崩御(亡くなった)ことを前提しているのです。
でも、今回の平成の元号の終わりは、生前退位のため崩御(亡くなった)という前提を否定してしまうのです。しかも、現在の皇室典範と元号法では、生前退位という規定も想定していなかったので皇位の継承の扱い方もいろいろと変わってくる。そこで、生まれたのが特例法でした。
生前退位の特例法
天皇の崩御(亡くなった)となった場合は、スムーズ運ぶ皇位継承でしたが、生前退位というのはある意味、想定外なのでしょう。
そこで、生まれたのが、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」でした。
天皇の退位等に関する皇室典範特例法は、平成29年6月9日に成立、平成29年6月16日に公布されました。
その概要を首相官邸ホームページから一部を引用すると以下のようです。
皇室典範第4条の特例として、天皇陛下の退位及び皇嗣の即位を実現するとともに、天皇陛下の退位後の地位その他の退位に伴い必要となる事項を定めるものとする(第1条)
1.天皇の退位及び皇嗣の即位
天皇は、この法律の施行の日限り、退位し、皇嗣が、直ちに即位するものとする(第2条)
2.上皇及び上皇后
(1)上皇(第3条)
① 退位した天皇は、上皇とするものとする(第1項)
(2)上皇后(第4条)
① 上皇の后は、上皇后とするものとする(第1項)
3.皇位継承後の皇嗣
① この法律による皇位の継承に伴い皇嗣となった皇族に関しては、皇室典範に定める事項については、皇太子の例によるものとする(第5条)
この中で、第1条の皇室典範第4条の特例ということですが、皇室典範第4条とはなにかが気になりますので、調べてみました。
という条文でした。
つまり、崩御(亡くなった)したときとあったので、これを特例として生前退位でもでききるようにしたのですね。
同時に、現天皇と皇后の扱いもどうするかも特例として、それぞれ上皇と上皇后としたのですね。
ちなみに、天皇で生前退位した事例は、江戸時代の第119代光格天皇以来200年ぶりとのことです。
光格天皇は、1779年(9才)に即位して、1817年(47才)に仁孝天皇に譲位した。38年間の在位でしたが、譲位したのは、中世以来の神事の再興や朝権の回復を尽力したかったようです。
ところで、元号とは、いつ頃から使用されているのか、どんな意味があるのか気になりますので見てみましょう。
元号の歴史と意味
元号の歴史を見てみますと
という歴史的な流れとなっています。
日本独自の元号の意味
日本独自の元号は、孝徳天皇即位(645年)時に「大化」の使用がはじめてでした。
それまでは、中国の元号や干支(えと)などを用いていた。
そして、大宝律令(701年)で元号の使用を正式に制度化しました。
しかも、元号は、皇位継承の時ばかりでなく、むしろ天災や疫病の流行などがあるとよく改元されたのが特徴だったようです。
ある意味、元号を調べると天災や疫病の流行などがあったことがわかるのですね。
ということは・・・
新元号の意味としては、天皇の即位ばかりでなく天災や疫病から断ち切りたいという刷新性が込められているのですね。
そんな元号も明治以降は、「一世一代」という規定となり、大日本帝国憲法で旧皇室典範が制定された。その後、戦後の新たな憲法のもとで旧皇室典範は廃止されて元号も廃止されたのですが、先ほどお話した1979年に元号法が制定されることになる。
西暦に統一の声
そんな元号も廃止して西暦に統一した方がいいのではないかという声もあります。確かに、元号で言われても、一体、いつの年なのかわかない場合があります。
明治○○年生まれ、大正○○年生まれと言われても具体的な年は分からないですね。ましてや、さらに元号が追加されていくとますますわかりにくい。
新聞に表示される年月日もいつの間にか西暦優先になっている。デジタル化の社会では、漢字使用よりも英数半角が便利ですので、元号がなくても不便と感じないようです。
しかし、時代の感覚や時代背景などを考える時は、元号で昭和の時代、平成の時代と表現した方がしっくりくることがあるので、一概に廃止するよりも活用という視点がいいのかもしれませんね。
まとめ
元号と天皇退位の関係と生前退位ついてはお分かりになりましたでしょうか。
今度の新たな元号が制定されますが、どんな元号になるか気になりますが、楽しみでもありますね。
というのも、新たな時代は、どんな風になるかという期待感がありますよね。
私だけですかね!(^^)!