好奇心旺盛な管理人は、以前、電柱がほぼ同じ間隔で並んでいることに気づいて調べたことがあります。
その時の記事がこれです。



先日、仕事先で街灯ポール設置工事に立ち会うことになった際に、現場の方から「電柱に取り付けることがあるが、高さがある」と大変という話をしていました。
管理人は、今まで、「電柱を見た限り電柱に高さの違いがあるなんて思ってもみなかった」のです。
本当にそうなのかと思い、その後街の通りに立っている電柱を色々とみてみたら確かに高さの違いがありました。
一体どうしてなのかと思い、電柱の高さについて調べて見ましたので一緒に見てみましょう。
電柱の高さの基準がある
全国の道路には、電柱が建てられていますが、どんな基準があるのか見てみましょう。
電柱の高さの基準
道路がなければ、交通ができませんので、市民生活と経済発展のために電力柱、電信柱に高さを以下のように決めています。
大日ポール技術資料(PDF)から主な高さを抜粋しますと、
- 日本電信電話株式会社の電話柱・・・8m,9m,9.5m,
- 東京電力株式会社の配電柱 ・・・8m,12m,14m,15m,16m
- 日本電信電話株式会社の共架柱 ・・・10m, 11m ,12m, 13m ,14m,15m,16m,17m
※共架柱とは、電柱と電話柱の両方が使える柱です。
となっています。
しかし、実際に電柱を道路に建てるとなると、地中に埋めなければなりません。
これを、電設業界では、根入れと言っています。
これも、倒れないようにするために、全体の高さ(長さ)の一部を地中に差し込みをいくらにするという目安も次のように決めています。
12mの電柱であれば、2mくらい根入れなので地上の高さとしては、10mとなります。
家の高さでいえば、3階ですかね。
そういえば、マンションを購入の際には、3階~4階の部分は、電柱や電線が気になる方には、要チェック事項の一つに挙げられていますね。
では、どうして、高さの違う電柱があるのか気になりますね。
電柱の高さ基準ができた理由
電柱と言えば、電力会社ですが、その昔154年前、最初に建てられたのが電信柱なのです。
現在では、次のようになっています。
- 電信柱(でんしんばしら)は、通信会社が通信用ケーブルです。
- 電力柱(でんりょくちゅう)は、電力会社が送電・配電用です。
- 両者の混合の共用柱(きょうようちゅう)があります。(共架柱ともいいます)
その昔、電信柱、電力柱は、明治初期は設置が大変だったが、電信線電話線建設条例によって道路占用が保護されて、道路内に自由に設置することができるようになりました。
しかし、自由に設置できることが、今度は道路を整備する上で大変邪魔となってしまいました。
道路が整備されないと、物流輸送に支障をきたし、日常生活物資や経済の発展も遅れてしまいます。
では、どうして、高さの違う電柱があるのか気になりますね。
電柱の高さが違う理由
実は、これは、電線と関係しています。
実際に電柱を見てみると、上と下に電線が張られていて、電気を流す送電線となっています。
では、この送電の仕組みは、電柱でどうなっているのかと言いますと、
関西電力の大人も学べる!教えて!かんでん電柱のナゾ!?の中で、電線の位置関係がわかりやすいイラストになっています。
それによると、上の送電線は、6600Vの高圧配電線、下の送電線は、柱上変圧器(トランス)で変圧された100Vまたは200Vの低圧配電線、そして柱上変圧器(トランス)のさらに下を通っているのが、電話、インターネット。ケーブルテレビなどの通信線となっています。
結論としては、電柱の高さと電線の関係していたとことが高さの違う理由だったということですね。
さらに、具体的に電柱の高さわかる見方がありますので紹介しておきます。
電柱の高さの見方
管理人も電柱の高さが気になりだしたら、色々と電柱に目が行き高さを具体的に知ることができないものかと思っていましたら、その方法がありました。
電柱に実は、白く丸い磁器製のものが埋め込められているのです。
実際の写真が下のものです。
上記の写真では、どちらも13メートルであることがわかります。
管理人は今までそんな丸い刻印みたいなものには、全く気が付きませんでした。
もし、「ウチの近くのあの電柱って高さどれくらいなのかな」と気になった方は、一度、写真のような丸いマークを探されてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、他の数字ですが、電柱の白丸の表示には、メーカーや製造年月日で変化するようですが、ほぼ似た決まりあります。
例えば、14-19-5.0と書かれていれば、長さ14m、先端(末口)直径19cm、5.0kgの加重でひび割れという意味を表しています。
上に掲載した写真でいえば、13-70-350ですので、長さ13m、先端(末口)直径70cm、350kgの加重でひび割れるという電柱を使用していますということですので、参考にしてください。
また、電柱を見てみますと、銀色の小さな表示プレートが付いています。
写真のものは共用柱ですが、それで説明しますと、
- 上の表示プレート:電力用
- 下の表示プレート:電信用
- 真ん中の表示プレート:街灯用
となっていましたよ。
さらに、電柱の太さも違いについても説明しますので、参考にしてください。
電柱の太さについて
電柱の高さの基準で紹介した大日ポール技術資料の中に、寸法のところに末口径と元口径と表記されています。
- 末口径 → 電柱の先端の直径
- 元口径 → 電柱の底の直径
では、これは何のために表記されているのかということ次の2つのためなのです。
大日コンクリート工業株式会社のコンクリートポールの外径計算を見てみると


- 末口からX (m) 離れた地点の外径を測るため
- 標準的な根入れの深さと支える支点を求めるため
ちゃんとした意味があったのですね。
その他に、上部が細くなることでしなりができて、地震や台風でも倒れないようになっているようです。
最後に
日本全国の各地に電柱がありますが、以前、電柱の間隔が一定になっているのが気になって調べたことがありましたが、さらに高さや太さに色々な意味があったのですね。
管理人は、戸外での仕事なのでいつも何気なく電柱に見てみましたが、これからは違った目で見ることになりますね。
ちなみに、全国の電柱は、コンクリート製ですが、中は空洞になっていて、外周部分が鉄筋入コンクリートとなっています。
頑丈ですので、ぶつからない様にしてくださいね !(^^)!