お刺身のツマと一緒に出てくるキレイな菊の花を食用菊といいます。
食用なので食べられるということは知っている方も多いと思います。
キレイなだけではなくて、栄養や効能とかどうなのかと思いますよね。
そして、種類も色々あり「もってのほか」という面白い名前の食用菊もあります。
そこで、食用菊の栄養や効能、「もってのほか」と言われる由来、春菊との違いについて調べてみました。
食用菊の栄養ってあるの?効能は?
食用菊は、刺身などの料理の彩りに使われることが多く、「飾り」という認識があります。
ですが、多くの栄養素が含まれています。
ビタミンやミネラルが含まれ、ガン抑制効果が期待されるβ-カロテンやビタミンC、さらに体内の解毒物質「グルタチオン」の生成を高めることが発見されています。(wikipediaより)
食用菊 可食部の栄養価は次のようになります。
100gあたり…27kcal
- 食物繊維…3.4g
- カロテン…67μg
- カリウム…280mg
- カルシウム…22mg
- マグネシウム…12㎎
(五訂日本食品標準成分表より一部抜粋)
中国では昔から、漢方の生薬としても利用されていて、延命長寿の薬として菊茶・菊花酒としても飲まれていました。
日本では江戸時代から一般的に食べられるようになったそうです。
効能
上記のガン抑制効果、体内の解毒のほかに注目したいのは自律神経を安定させる働きもあると言われています。
菊花のテルペンという香りの成分のリラックス効果が高く、ほっとさせてくれるためだと言われています。
花は見ているだけでも癒しの効果がありますよね。
食用菊はもってのほかと言われるの?
食養菊の「もってのほか」は主に山形県で栽培されています。
食養菊は、他に「もって菊」、「阿房宮(あぼきゅう)」、「かきのもと」などありますが、「もってのほか」は香りと風味と味の良さで、「食養菊の横綱」と言われています。
正しくは「延命楽(えんめいらく)」という名の品種ですが、「もってのほか」という名前で親しまれています。
名前の由来は、「天皇の御紋である菊の花を食べるのはもってのほか」だとか、「もってのほかおいしい」ということからきているようです。
初めて聞く人が、戸惑ってしまうような面白い名前ですよね。
食用菊と春菊は違うの?
食養菊と春菊は同じキク科の植物ですが、食養菊は花野菜、春菊は菜葉類になります。
春菊はキク科キク属に分類される植物で、地中海沿岸が原産地です。
日本には室町時代に渡ってきました。
東南アジア諸国では広く食用にされていますが、ヨーロッパでは食用にされることはなく観賞用になっています。
通常は花が咲く前に収穫しますが、収穫時期を逃すと春菊に花が咲くことがあります。
きれいな小さくて黄色い花が咲きますが、食養菊と違い春菊の花は食べることができません。
咲いてしまった春菊の花は苦味があります。
花が咲いてしまうと、春菊の味が落ちてしまいます。
春菊は通年でスーパーで売っていますが、旬は11月~2月の冬の時期になります。
鍋には定番の野菜ですね。
食用菊は、苦味が少なくさらに食べる部分の花びらが大きく品種改良されています。
花びらの部分を食べます。
刺身に添えられている小菊は、ほとんど食べられることはありません。
私は一度、そのまま口に入れて食べたことがありますが、苦くて出してしまったことがありました。
たぶん花托(かたく)と呼ばれる花を支えている部分に苦味があったと思われます。
そのまま食べるのは風情がないので、花びらをむしって刺身や大根のツマにちらして、ほんのりとした香りや見た目の美しさを楽しむのと良いですね。
最後に
食用菊の調理方法を調べてみると、おひたし、酢の物、サラダやゼリー寄せなど、見た目がとてもきれいな調理法がありました。
どれも意外と簡単な調理法で食べる事できます。
地域によってはあまり馴染みがない食用菊ですが、食卓を豊かにしてくれそうな食用菊の料理をこの機会に取り入れてみるのはいかがでしょうか。